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山形県の民話

ヤハハエロー
chinese

正月の十五日になると、子供会で各戸より門松や古い御札等を集め、秋より準備している萱や藁を持ち寄りヤハハエローを作ります。当日のいろいろな正月行事を早めに片付け、三々五々集まり、ヤハハエローを中心に大きな輪になります。時間になると歳男が点火、燃えさかる炎の如く天までとどけとヤハハエローと叫び、無病息災を願う。おらんだががきの頃は旧暦で一月遅れだ。大寒もあけて冬も終わるなあと思う頃だ。門松に小豆粥を供えて門松を下ろし、団子の木に団子、鮒菓子、ミゴに繭玉をさげて飾る。明十六日は地獄の釜の蓋もあくという女子の休日だ。雪の上の肥引きが始まるので、小昼食の準備もする。今日の正月行事の遅れは、一年中の仕事の遅れとたとえていた。早目の夕飯を食ってヤハハエローを始めるのだ。門松を藁でくるんでワラニヨみたいにこしゃえておく。家内中まわりに揃うと、お祖父ちゃが火をつけるのだ。だんだん火の勢いが強くなる。それに負けないように、「センキセンバコフットンデケ、ヤハハエロー」と大声で叫び、ヤハハエロー最高潮を迎える。
「センキセンバコフットンデケ、ヤハハエロー」を自分なりに解釈してみた。「センキ」は疝気で漢方で腰や腹部の痛み、「センバコ」は全部全般、「フットンデケ」は炎とともに飛んでゆけ、「ヤ」は家、「ハエロー」は栄えろ。いろいろな病気や痛みが飛んでいって、一家栄えろ。無病息災で一家の隆盛の願いをこめて、大空に向って叫んだことだと思います。

白鷹町老人クラブ連合会様 「白鷹のとんとむかしとうびんと」より

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